私と彼の秘密 その後

母,妻、そして女。

犠牲者

 

朝、ラインの音で目を覚ます。

 

夫のいないベッドの上で。

 

こんな朝が、ずっと続けばいいのに…。

 

壊れるのが怖い。

 

でも、その先が、私には無い。

 

行き当たりばったりの、私。

 

本能のままの私。

 

 

 

彼は、偶然にも、

 

そんな私に、ヒントをくれた。

 

そこに書かれた彼の詩を読んだとき、

 

苦しくてたまらなくなった。

 

切なくて、苦しい。

 

これはただの詩なの?

 

それとも、あなたの気持ちを唄ったの?

 

何でも言う私と正反対に、

 

言わないと決めた人の決意が、そこにあった。

 

初めて知った。

 

この関係を

 

より良く、長く続ける為に、

 

彼は、情熱だけで突っ走る私の犠牲者になっている。

 

言葉は、時に誤解を招く。

 

だから、彼は、

 

自分が満たされることを

 

相手に求めるようなことは、

 

言わないと、誓ったのだ。

 

理性が崩壊して、暴走しないように。

 

彼がもし、私と同じだったら?

 

きっと、ここは、居心地が悪くなる。

 

彼だけが、犠牲者にならないように、

 

私も、世間で言う…

 

大人にならないといけない。

 

誤解を招いてからでは、取り戻せないことだってあるし、

 

情熱は、理想を壊すことになる。

 

彼の優しさは、そういう、もっとずっと深いところにある。

 

甘えてばかりで、ごめんなさい。